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ひきこもりとは、家族以外の他者とのコミュニケーションが切断された状態、またはその状態にある人のことを言う。

社会不安障害統合失調症うつ摂食障害などの精神障害からひきこもり状態となる場合があるが、これはひきこもりではない。何らかの精神障害に付随して起こる二次的症状ではなく、社会的原因を持つものがひきこもりと定義される。


概要編集

  • 原因
ひきこもり状態に至る原因は1つではない。社会・家族・友人・仕事関係などさまざまな側面に原因が推定される。


定義編集

「ひきこもり」には幾つかの定義が存在している。

  • 斎藤環(精神科医)による「社会的ひきこもり」の定義
「20代後半までに問題化し、6ヶ月以上、自宅にひきこもって社会参加しない状態が持続しており、ほかの精神障害がその第一の原因とは考えにくいもの」
(斎藤環著『社会的ひきこもり 終わらない思春期』 PHP新書 1998年 ISBN 4569603785 より)
  • 厚生労働省/国立精神・神経センター精神保健研究所社会復帰部による定義
「さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」
「対人関係と社会的活動からの撤退が本人の意図を超えて長期間続いている状態であり、家族とのみ対人関係を保持している場合を含む」
(塩倉裕著『引きこもり』 ビレッジセンター出版局 2000年 ISBN 4022614315 より)


ひきこもりの規模編集

ひきこもりの量的調査は2回行われている。 2002年度調査では、20-65万世帯(点推定値41万世帯)、2003年度調査では18~46万世帯(点推定値32万世帯)という結果が出ている。


ひきこもりの性別編集

ひきこもりの性別は圧倒的に男性が多い。斎藤環によると男性が8割、KHJ 親の会によるアンケートによると男性が83.7%である。この点では女性が9割を超える摂食障害と対称的な関係にある。

なお、女性が多く含まれるアンケート結果も存在するが、そこには精神障害の症状としてのひきこもりが含まれていると考えた方がよい。


言葉の成り立ち編集

ひきこもりという言葉がいつどこで生まれたかということは正確にはわからないが、活字として登場したのは、1980年に岡堂哲雄が雑誌『こころと社会』において書いた「ひきこもり現象と家族心理」という論文である。言葉そのものが流通し始めたのは90年代に入ってからで、1992年にカウンセラーの富田富士也が『ひきこもりからの旅立ち』(ハート出版)を出版、1993年に稲村博が『不登校・ひきこもりQ&A』(誠信書房)を出版している。行政がこの言葉を使ったのは、1991年に当時の厚生省によって策定された「不登校・ひきこもり対策事業」である。


その後、1998年に斎藤環が出版した『社会的ひきこもり 終わらない思春期』によってこの言葉が広く知られるようになった。

「「社会的ひきこもり」という言葉をご存じでしょうか。Social withdrawalという、本来はさまざまな精神障害にみられる、一つの症状を意味する精神医学の言葉です。」
(斎藤環著『社会的ひきこもり 終わらない思春期』 PHP新書 1998年 ISBN 4569603785 より)


斎藤環はDSMに含まれる1症状である"Social withdrawal"の訳語として「社会的ひきこもり」を採用したが、英語でいう"Social withdrawal"と日本語の「社会的ひきこもり」は異なるものであり、英語文献でSocial withdrawalと書かれたものが日本での社会的ひきこもりには相当しない。

Social withdrawalは統合失調症・摂食障害・心的外傷後ストレス障害などいくつかの精神障害を原因として1症状だが、社会的ひきこもりは精神障害を原因としないひきこもり状態のことを指している。


「ひきこもり」は病気なのか?編集

  • 「ひきこもり」は状態として精神障害を持つとは限らない


「ひきこもり」は精神障害を原因としないが、状態としては精神障害を抱えているため、DSMなどの診断マニュアルを使って精神医学的診断が行えるという考え方もあるが、「ひきこもり」は必ずしも精神障害を抱えている訳ではないことが調査から判明している。

「「ひきこもり」は必ずしも精神医学的な異常を伴うわけではない。「ひきこもり」の時の診断名としては,不安障害とうつ病エピソードであり,背景に恐怖症を伴うことも少なくないが,それだけで「ひきこもり」が説明できるわけではない。」

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